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外国人労働者の推移と職種・在留資格(ビザ)を図解|257万人時代の最新データと2027年「育成就労」

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外国人労働者の推移と職種・在留資格。外国人労働者数は2025年10月末で257万人

コンビニのレジ、建設現場、介護施設、システム開発のチーム。外国人と一緒に働く場面は、この10年ほどで珍しいものではなくなりました。では、実際に何人の外国人が日本で働いていて、どのような仕事に就き、どの在留資格(いわゆるビザ)で滞在しているのでしょうか。

この記事では、厚生労働省と出入国在留管理庁が公表している最新の統計をもとに、外国人労働者数の推移、業種ごとの仕事、在留資格の違いをイラストと図で整理します。2027年4月に始まる新制度「育成就労」についても、採用担当の方が押さえておきたい点をまとめました。

この記事のポイント

  • 2025年10月末の外国人労働者は257万1,037人で、届出が義務化された2007年以降で最多
  • 最も多い在留資格グループは「専門的・技術的分野」で、全体の33.7%を占める
  • 最も多い産業は製造業(24.7%)。伸び率が最も大きいのは医療・福祉(25.6%増)
  • 建設業は技能実習が約6割、情報通信業は技人国が約7割と、業種で主力の資格が異なる
  • 2027年4月に技能実習に代わって育成就労が始まり、特定技能と合わせた受入れ見込数は約123万人

外国人労働者数の推移:257万人で過去最多を更新

厚生労働省の「外国人雇用状況」の届出状況によると、2025年10月末時点の外国人労働者数は257万1,037人で、前年より26万8,450人(11.7%)増えました。外国人を雇用する事業所も37万1,215所と過去最多です。

外国人労働者数の推移を示す棒グラフ。2008年の約49万人から増加が続き、2019年は約166万人、コロナ禍の2020〜2021年は横ばい、2025年は約257万人。
図1 外国人労働者数の推移(2008〜2025年)

グラフを見ると、増え方は一定ではありません。2012年にわずかに減少した後、2013年から2025年まで13年連続で増えています。新型コロナウイルスの影響を受けた2020年と2021年はほぼ横ばいでしたが、入国制限が緩和された後は再び急増し、2023年以降は3年連続で2桁の伸びが続いています。

年(10月末) 外国人労働者数 この時期の特徴
2008年 約49万人 届出の義務化(2007年)の直後
2015年 約91万人 留学生と技能実習生が増加
2019年 約166万人 この年の4月に在留資格「特定技能」を創設
2021年 約173万人 コロナ禍で伸びが0.2%に鈍化
2023年 約205万人 初めて200万人を超える
2025年 約257万人 2008年の約5.3倍

日本全体の労働力人口(2025年は7,004万人)と比べると、外国人労働者は約3.7%にあたります。統計の取り方が異なるためあくまで目安ですが、およそ27人に1人の計算です。また、外国人を雇用する事業所の63.1%は従業員30人未満で、外国人雇用はすでに大企業だけの話ではありません。

男女別では男性が137万7,782人(53.6%)、女性が119万3,255人(46.4%)で、大きな偏りはありません。都道府県別に見ると、東京が65万2,251人(25.4%)で最も多く、愛知が24万9,076人(9.7%)、大阪が20万8,051人(8.1%)と続きます。製造業の集積する地域や、サービス業の多い大都市に集まる傾向があります。

なぜ増え続けているのか

背景には大きく3つの要因があります。1つ目は、国内の人手不足です。少子高齢化で15〜64歳の人口が減るなか、建設、介護、製造、外食といった現場を中心に、日本人だけでは働き手を確保しにくくなっています。2つ目は、受入れ制度の拡大です。2019年に特定技能が創設され、対象分野も創設時の14分野から統合や追加を経て、現在は19分野になりました。3つ目は、留学生の増加です。学業のかたわらアルバイトとして働く人に加え、卒業後に日本で就職する人も労働者数を押し上げています。

「在留外国人」と「外国人労働者」は別の統計

ニュースでは「在留外国人428万人」という数字もよく目にします。これは出入国在留管理庁の統計で、2026年6月末時点の在留外国人は428万1,026人でした。子どもや留学生、働いていない家族なども含まれるため、外国人労働者数より大きくなります。一方、厚生労働省の統計は事業主から届け出のあった労働者の数で、特別永住者や「外交」「公用」の在留資格の人は含まれません。公表の時点も異なるため、2つの数字をそのまま比べることはできません。

「ビザ」と「在留資格」の違いと、5つのグループ

日常会話では「就労ビザ」と言いますが、厳密には、入国の際に必要な「査証(ビザ)」と、日本で何ができるかを定めた「在留資格」は別のものです。働けるかどうか、どの仕事に就けるかを決めているのは在留資格です。この記事でも、以降は在留資格という言葉を使います。

厚生労働省の統計では、在留資格を大きく5つのグループに分けて集計しています。

在留資格の5グループを人物イラストとともに示した図。専門・技術86.6万人(33.7%)、身分に基づく資格64.6万人(25.1%)、技能実習49.9万人(19.4%)、資格外活動44.9万人(17.5%)、特定活動11.1万人(4.3%)。
図2 在留資格の5つのグループと人数(2025年10月末)
グループ 主な在留資格 働き方の特徴
専門的・技術的分野 技術・人文知識・国際業務、特定技能、介護、高度専門職、技能など 認められた範囲の仕事に就く。正社員として働く人も多い
身分に基づく在留資格 永住者、定住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等 就労に制限がなく、職種を問わず働ける
技能実習 技能実習1号〜3号 計画に沿って技能を学ぶ。原則として勤務先は変えられない
資格外活動 留学生、家族滞在者のアルバイトなど 許可を得て、原則週28時間以内で働く
特定活動 ワーキングホリデー、EPA看護師・介護福祉士候補者など 活動の内容は個別に指定される

在留資格別の推移:専門・技術が最大のグループに

5つのグループの動きを比べると、この10年で構成が大きく変わったことがわかります。

在留資格グループ別の折れ線グラフ。専門・技術は2015年の約17万人から2025年に86.6万人へ急増し、2024年に身分に基づく資格(2025年64.6万人)を上回った。技能実習は49.9万人、資格外活動は44.9万人、特定活動は11.1万人。
図3 在留資格グループ別の推移(2015〜2025年)

長い間、最も人数が多かったのは永住者などの「身分に基づく在留資格」でした。ところが2024年に「専門的・技術的分野」がこれを追い抜き、2025年には86万5,588人まで増えています。2015年の約17万人と比べると約5倍です。

この伸びを支えているのが、次の2つの在留資格です。

  • 技術・人文知識・国際業務(技人国):46万8,068人(前年比13.8%増)
  • 特定技能:28万6,225人(前年比38.3%増)。2021年の2万9,592人から4年で約10倍

一方、技能実習は49万9,394人と依然として多いものの、伸び率は2023年の20.2%、2024年の14.1%から、2025年は6.1%へと落ち着いてきました。出入国在留管理庁の統計でも、2026年6月末の在留者数は技能実習が45万7,509人、特定技能が44万4,256人と差が縮まっています。人材の中心が「実習」から「即戦力」へ移りつつあると読み取れます。

どんな仕事をしているのか:業種と職種

まず統計の見方を一つ確認しておきます。厚生労働省の統計は、勤務先の「産業」で分類したものです。たとえば製造業の会社で通訳として働く人も「製造業」に数えられるため、「職種」そのものの人数を示すものではありません。そのことを踏まえて、産業別の人数を見てみましょう。

産業別の外国人労働者数の棒グラフ。製造業63.5万人、サービス業39.2万人、卸売業・小売業34.1万人、宿泊業・飲食サービス業32.0万人、建設業20.6万人、医療・福祉14.6万人、情報通信業9.8万人、教育・学習支援業8.3万人、その他35.0万人。
図4 産業別の外国人労働者数(2025年10月末)
産業 人数 構成比 前年比
製造業 63万5,075人 24.7% 6.1%増
サービス業(他に分類されないもの) 39万1,946人 15.2% 10.6%増
卸売業、小売業 34万687人 13.3% 14.2%増
宿泊業、飲食サービス業 31万9,999人 12.4% 17.1%増
建設業 20万6,468人 8.0% 16.1%増
医療、福祉 14万6,105人 5.7% 25.6%増
情報通信業 9万7,924人 3.8% 8.1%増

人数では製造業が最多ですが、伸び率では医療・福祉が際立っています。高齢化で人手が不足している介護の現場で、外国人材の受入れが急速に進んでいることの表れです。それぞれの業種では、次のような仕事に就いている人が多く見られます。

業種ごとの代表的な仕事を人物イラストで示した図。製造業は機械加工や食品加工、建設業は土木・建築・設備工事、宿泊・飲食は調理や接客、医療・福祉は介護職員など、情報通信業はエンジニアなど、卸売・小売は店舗スタッフや貿易事務など。
図5 業種ごとの代表的な仕事

業種によって主力の在留資格はまったく違う

産業と在留資格を掛け合わせると、さらに特徴がはっきりします。同じ「外国人雇用」でも、業種によって採用の前提となる制度が違うのです。

産業別の在留資格構成比を示す積み上げ棒グラフ。建設業は技能実習が58%、製造業は技能実習35%と身分に基づく資格26%、情報通信業は技人国67%、医療・福祉は特定技能38%、宿泊・飲食は資格外活動46%。全産業では身分に基づく資格25%、技能実習19%、技人国18%、資格外活動17%、特定技能11%。
図6 産業別の在留資格構成比(2025年10月末)

製造業:実習生と長く働く層が混在

外国人労働者の4人に1人が働く最大の産業です。技能実習が22万2,243人(35%)で最も多く、永住者などの身分に基づく資格が16万2,048人(26%)、特定技能が10万291人(16%)と続きます。機械加工や組立て、食品加工などの現場を実習生や特定技能の人が担う一方で、定住者や永住者として長年働く人も多いのが特徴です。

建設業:技能実習が約6割

技能実習が11万9,868人と58%を占め、主要な産業のなかで最も割合が高くなっています。特定技能も2万6,965人(13%)と増えており、前年比16.1%増という伸びを支えています。技能実習への依存度が高いぶん、後述する制度変更の影響を強く受ける業種です。

宿泊・飲食:留学生のアルバイトが支える

資格外活動が14万6,336人(46%)と半数近くを占め、その8割以上が留学生です。短時間のシフトで店舗を支える働き方が中心ですが、週28時間という上限があるため、人員計画には注意が必要です。近年は外食業や宿泊の特定技能でフルタイムの戦力を確保する動きも見られます。

医療・福祉:特定技能が主力に

特定技能が5万5,733人(38%)で最も多く、身分に基づく資格の3万1,471人(22%)を大きく上回ります。特定技能の介護分野では、インドネシア(2万6,433人)とミャンマー(2万4,313人)の出身者が多く、ベトナム(9,928人)を上回っています。国籍の構成が他の分野と異なる点も特徴です。

情報通信業:専門職としての採用が中心

技人国が6万5,940人と67%を占めます。エンジニアとしての採用が中心で、技能実習や特定技能はほとんどいません。ほかの業種とは異なり、人手不足を補うというよりも、専門的なスキルを求めて採用する色合いが濃い業種といえます。

主な在留資格と就ける仕事

採用の相談で特に話題になることが多い在留資格について、違いを整理します。

在留資格 主な仕事 在留期間 転職 家族の帯同
技術・人文知識・国際業務 エンジニア、設計、施工管理、営業、経理、通訳など 更新可 可(仕事内容は資格の範囲内) 可
特定技能1号 19分野の現場業務 通算5年まで 可(同じ分野内など) 基本的に不可
特定技能2号 11分野の熟練業務 更新の上限なし 可(同じ分野内など) 要件を満たせば可
技能実習 計画で定めた作業 最長5年 原則不可 不可
永住者・定住者など 制限なし 資格による 可 資格による
留学(資格外活動) アルバイト(風俗営業等を除く) 学業の期間 - -

技術・人文知識・国際業務(技人国)

いわゆるホワイトカラーの代表的な在留資格です。大学や専門学校で学んだ内容、または一定の実務経験と関連する専門的な仕事に就くことが条件で、工場のライン作業や接客など、専門性を必要としない仕事を主な業務にすることは認められません。学歴と仕事内容の関連性が審査の要点になるため、採用時には職務内容を具体的に整理しておく必要があります。

特定技能

人手不足が深刻な分野で、即戦力として働くための在留資格です。2026年1月の閣議決定で「リネンサプライ」「物流倉庫」「資源循環」が加わり、対象は19分野になりました(新しい分野の受入れは、基準の整備など準備が整い次第の開始とされています)。特定技能1号は分野ごとの技能試験と日本語試験に合格するか、技能実習2号を良好に修了した人などが対象です。2026年6月末時点(速報値)の特定技能1号は42万5,961人で、分野別の内訳は次のとおりです。

分野 特定技能1号の人数 構成比
飲食料品製造業 10万769人 23.7%
介護 7万9,884人 18.8%
工業製品製造業 6万2,033人 14.6%
建設 5万2,132人 12.2%
外食業 4万9,060人 11.5%
農業 4万4,050人 10.3%
その他 3万8,033人 8.9%

熟練者向けの特定技能2号は1万8,295人です。まだ人数は少ないものの、建設が5,329人で最も多く、飲食料品製造業の4,703人が続きます。更新の上限がなく家族と暮らせる道が開かれるため、長期定着の観点から注目されています。

技能実習

技能を学んで母国に持ち帰ってもらう「国際貢献」を目的に、1993年に始まった制度です。実態としては人手不足を補う役割を担ってきたことや、原則として勤務先を変えられないことなどが課題とされ、後述する育成就労に置き換わります。

身分に基づく在留資格

永住者や定住者、日本人の配偶者などは、就労に制限がありません。職種を問わず採用できるため、日本人と同じように幅広い仕事で活躍しています。ブラジル国籍の労働者では、98.5%がこのグループです。

資格外活動(留学生のアルバイトなど)

留学生は資格外活動の許可を受けることで、原則週28時間以内(学校の長期休業中は1日8時間以内)でアルバイトができます。この上限を超えて働かせると、本人だけでなく雇用主も責任を問われることがあるため、掛け持ちの有無を含めた確認が欠かせません。

採用したい人材から考える在留資格

制度名から入ると複雑に感じますが、「どんな人に、どんな仕事を任せたいか」から考えると整理しやすくなります。

採用したい人材 検討する在留資格 確認したいこと
技術者・事務職など専門職 技術・人文知識・国際業務 学歴や実務経験と仕事内容の関連性
現場の即戦力 特定技能1号 対象分野か、試験合格や実習修了の有無、支援体制
熟練の現場リーダー 特定技能2号 対象の11分野か、実務経験と試験の要件
未経験から育てたい人材 育成就労(2027年4月〜) 対象の17分野か、育成計画、転籍への備え
職種を限定せず長く働く人 永住者、定住者など 在留カードの就労制限の欄
短時間のスタッフ 留学など(資格外活動) 許可の有無と週28時間の上限

国籍別に見る外国人労働者

国籍によっても、多い在留資格には明確な違いがあります。

国籍 人数 構成比 特に多い在留資格グループ
ベトナム 60万5,906人 23.6% 専門・技術 38.0%、技能実習 36.1%
中国(香港等を含む) 43万1,949人 16.8% 専門・技術 42.9%、身分 33.9%
フィリピン 26万869人 10.1% 身分 60.3%
ネパール 23万5,874人 9.2% 資格外活動 66.8%
インドネシア 22万8,118人 8.9% 技能実習 52.6%、特定技能 30.5%
ミャンマー 16万3,311人 6.4% 専門・技術 33.7%、技能実習 22.6%
ブラジル 13万4,645人 5.2% 身分 98.5%

注目したいのは伸び率です。前年比で最も増えたのはミャンマー(42.5%増)で、インドネシア(34.6%増)、スリランカ(28.9%増)が続きました。ベトナムは依然として最多ですが、伸び率は6%台にとどまっています。人材を送り出す国の顔ぶれは、少しずつ変わり始めています。

2027年4月に何が変わるのか:育成就労制度

これからの外国人雇用を考えるうえで最も大きな変化が、2027年4月1日に始まる「育成就労制度」です。技能実習制度を発展的に解消し、人手不足分野で人材を育成・確保することを正面から目的に掲げた制度です。

育成就労から特定技能へのステップを階段状に示した図。育成就労は3年間で17分野、日本語A1相当から。特定技能1号は通算5年までで19分野、日本語A2相当。特定技能2号は更新の上限なしで11分野、日本語B1相当。
図7 育成就労から特定技能へのステップ

基本的な流れは、育成就労の3年間で特定技能1号の水準まで育て、特定技能1号、さらに2号へと進んでもらうというものです。技能実習との主な違いを整理します。

項目 技能実習(これまで) 育成就労(2027年4月〜)
目的 技能移転による国際貢献 人手不足分野での人材育成と確保
期間 最長5年 原則3年
本人の意向での転籍 原則不可 分野ごとに定めた1〜2年の経過後、技能と日本語の要件を満たせば可
日本語の要件 介護を除き入国時の要件は原則なし 就労開始までにA1相当の試験合格または講習受講
仲介する機関 監理団体 監理支援機関(許可基準を厳格化)
受入れの上限 分野ごとの上限なし 分野ごとの受入れ見込数を上限として運用

施行の時点で実習中の人などには経過措置があり、すぐにすべての技能実習生がいなくなるわけではありません。ただし、経過措置の対象者が技能実習から育成就労へ移ることはできないため、受入れ企業は新旧の制度が併存する期間を見据えて準備を進める必要があります。

受入れ見込数は合計で約123万人

政府は2026年1月23日に分野別の運用方針を閣議決定し、受入れ見込数を示しました。2028年度末までの特定技能が80万5,700人、2027年度からの2年間の育成就労が42万6,200人で、合計は123万1,900人です。この数字は目標ではなく、生産性の向上と国内人材の確保を行ってもなお不足する人数に基づく上限として運用されます。

分野(例) 特定技能 育成就労 合計
工業製品製造業 19万9,500人 11万9,700人 31万9,200人
建設 7万6,000人 12万3,500人 19万9,500人
飲食料品製造業 13万3,500人 6万1,400人 19万4,900人
介護 12万6,900人 3万3,800人 16万700人
農業 7万3,300人 2万6,300人 9万9,600人

現状と比べてみましょう。2026年6月末の特定技能1号は42万5,961人で、80万5,700人という見込数の約53%にあたります。まだ受入れの余地があるようにも見えますが、分野によって進み具合には差があります。また、見込数は大きな経済情勢の変化がない限り上限として運用されるため、分野によっては将来、受入れが制限される可能性もあります。採用計画を立てる際は、自社の分野の状況を確認しておくと安心です。

建設業で特に重要な理由

当社が採用支援に携わる建設業は、この変化の影響を特に大きく受ける業種です。運用方針によると、建設分野では2028年度に約36万人の技能者が不足すると見込まれています。ICTの活用などの生産性向上で約14万9,000人、処遇改善などの国内人材確保で約1万1,500人を補っても、なお約20万人が不足するという試算です。

現在、建設業で働く外国人の約6割は技能実習生です。そのため、受入れの主力は今後、育成就労に移っていきます。建設分野の転籍制限期間は2年とされ、1年を超える制限を設ける場合には、1年目から2年目にかけての昇給など待遇向上策も求められます。「育てたのに辞めてしまう」事態を防ぐには、賃金や教育の仕組みを整えて、選ばれる職場になることが一層重要です。

一方、施工管理や設計といった技術職は、理系の学歴などを生かす技人国の対象になり得ます。建設業の技人国は1万9,849人で、まだ少数派です。現場の技能者とは採用ルートも必要な要件も異なるため、分けて考えるとよいでしょう。

企業が押さえておきたい5つの実務

  1. 在留カードで資格と期限を確認する:採用の前に、在留資格、在留期間、就労制限の有無を必ず確認します。
  2. 外国人雇用状況を届け出る:外国人の雇入れと離職の際には、ハローワークへの届出がすべての事業主に義務付けられています。
  3. 不法就労のリスクを理解する:不法就労をさせた事業主などに科される不法就労助長罪は、2025年6月に施行された法改正で、5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金(併科あり)へと厳しくなりました。「知らなかった」では済まされない場合があります。
  4. 更新費用を社内ルールで決めておく:2026年10月から在留期間の更新などの手数料が改定され、オンライン申請の場合、これまで5,500円だったものが、許可される期間が1年なら2万7,000円、5年以上なら6万5,000円になりました(別途決済手数料)。会社と本人のどちらが負担するかを決めておくと、後のトラブルを防げます。
  5. 定着の仕組みをつくる:日本語学習の支援、相談窓口、キャリアの見通しの提示など、採用後の支えが定着を左右します。特定技能1号では、法律に基づく支援計画の作成と実施が受入れ機関に求められ、登録支援機関に委託することもできます。

よくある質問

Q. 外国人労働者は全部で何人いますか?

厚生労働省の統計では、2025年10月末時点で257万1,037人です。次回の統計は2027年1月ごろに公表される見込みです。

Q. 一番多い国籍はどこですか?

ベトナムが60万5,906人(23.6%)で最も多く、中国、フィリピンが続きます。

Q. 特定技能と技能実習は何が違いますか?

特定技能は人手不足分野の即戦力として働くための在留資格で、一定の条件のもとで転職もできます。技能実習は技能移転を目的とする制度で、原則として勤務先を変えられません。技能実習は2027年4月以降、育成就労に置き換わっていきます。

Q. 外国人を施工管理として採用できますか?

学歴や実務経験と仕事内容が合致すれば、技人国での採用が考えられます。ただし、個別のケースで許可されるかどうかは審査によるため、事前に出入国在留管理庁や行政書士に確認することをおすすめします。

まとめ

外国人労働者は257万人を超え、13年連続で増えています。その内訳を見ると、専門・技術の分野が最大のグループになり、業種によって主力の在留資格が大きく異なることがわかります。そして2027年4月には育成就労が始まり、「実習」から「育成と定着」へと考え方が変わります。

大切なのは、全体の数字だけで判断せず、自社の業種と仕事に合った在留資格を正しく理解することです。日本の働き手全体の動きについては、日本の労働人口の推移と今後の予測もあわせてご覧ください。

出典・参考資料

※本記事の数値は、2026年11月時点で公表されている統計・資料に基づいています。在留資格の要件や手続きは変更されることがあるため、個別の判断にあたっては出入国在留管理庁や行政書士などの専門家にご確認ください。